竹富島 コンドイビーチ
私の住む木曽平沢は、漆工町として2018年、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
現在、その町並み保存会の役員をしているのですが、少子高齢化の進む中、将来の町づくりの難しさを感じています。
そんなわけで、全国の重重要伝統的建造物群保存地区についての問題点を調べてみました。
日本の宝物のような竹富島は、石垣島から船で10分ほどのところに位置し、人口は390人あまり、全国の重要伝統的建造物群保存地区でも代表的な小さな離島です。
島には、島人の豊かな暮らしと文化があり、保存地区内には沖縄独特の建造物群が残され、サンゴ礁が粉砕されたの白い迷路の様な道を、石垣島から押し寄せる観光客の居なくなった朝夕歩くのは心地よく、私にとっても竹富島は沖縄の中でも沖縄の雰囲気を味わうことの出来る特別な島でありました。
そこに数年前、星野リゾートが戸建て高級コテージのリゾートを、保存地区エリア外に作りました。島人の間で反対運動も起こり問題とはなりましたが、島人と協議を重ね解決。まずはそこまではよかったのでしょうか・・・
それが、今、島唯一の美しいコンドイビーチ(写真)に、またもリゾート開発の計画があるらしく、現在、土地を取得していた沖縄本島の不動産屋と島人の間で裁判沙汰となっているようです。
観光化と町並み保存の問題は、国が推し進める地方創生政策もからんでいるだけに、重要伝統的建造物群保存地区にとって大きな課題です。
これ以上の観光化が推し進められれば住民の諸々の負担は大きくなり、のんびりとした豊かな町はどうなっていくのでしょう。確かに経済的なメリットはありますが、なかなか難しい問題です。
ただ一方で、世界遺産に登録されている同じく竹富町の西表島では、外国から押し寄せる観光客の入島上限制限をしたというのだから、これは思い切った決断と言わざるをえません。経済はさておき、西表島の自然を守ろうとする姿勢は、島人としてのプライドを感じます。
今後、こんなことが日本中の重要伝統的建造物群保存地区で問題となりそうですが、いずれにしても、どんな町をつくりたいのか?何を目指すのか?これは住んでいる住民が決めていくことで、外部からの大手資本に侵されないよう見守るしかないようです。