嬉しい話・・・

数年前から、わざわざ愛知県から私の作ったボールペンを買いに来てくれていた中学生がおりました。

その子は、なかなか優秀でお爺ちゃん達から、テスト時、良い点数を取る度に小遣いをもらっては貯金をしているらしく、そのお金をたまると私のボールペンを買い求めてくれているとのことで、私の漆塗りボールペンのコレクターです。

その子から、先日電話があり、無事愛知県の難関高校に合格したとのこと電話を先日頂きました。何だか、我が子が合格でもしたように嬉しく思いました。

漆塗りボールペン 円珠筆

こんな出会いもあるから、季節も良いしそろそろ店も開けなくちゃ…

中尊寺に奉納

夢と想いは叶うものです。不思議です・・・

10月28日、かねてより中尊寺金色堂建立900年に際し創ってきました金色堂内陣巻柱に描かれていました蒔絵観音菩薩菩薩像『円光仏に想う』と題した額装絵を奉納してきました。

10月28日当日は、藤原秀衡公のご命日で、法要前に中尊寺本堂で奉納、法要。さらには金色堂内で一般客がお参りする中、ガラス張りの中で奉納した額装画を立て、ご焼香させて頂きました。想像もしていなかったご配慮にありがたく感謝するばかりです。金色堂内に入ると、藤原清衡公を始めとした三代のご遺体が安置されているだけに独特な静謐で不思議な空気感を感ずることが出来たことは感動でした。

私のような一介の漆職人が、この国宝第一号に選定され、漆の館としての贅を尽くした最高峰に足を踏み入れること自体がありえないことですが、こうしたことが出来たことに、とても幸せを感じています。

額装画の裏板には、密かに書いた言葉を書き込み封印しました。何を書きしるしたかは内緒。笑

亡くなった父、尊敬する師、また友人、知人、94歳になるまだ健在の母、さらに生きている世界の全ての人間に平穏無事であることを祈るばかりです。

今回で、中尊寺には4回目の参詣となりましたが、様々なご縁が繋がり、こうしてご奉納が叶ったことに、あらためて皆々様に感謝しています。

合掌

剣道の防具

剣道の防具 ザラメ砂糖焼成し炭化した炭素粒子を蒔いた石目塗り。

先に、剣道の防具の漆塗りの依頼がありました。聞くところによると、木曽の塗師屋で皆断ったと言う。しかし、その素材は竹、さらには牛皮が綺麗に貼られ見事なものでした。

こんな仕事を蹴っては、と、とりあえずやってみますか?と言ってしまった。聞くと工賃は、とんでもなく安い・・・。でも、お金の交渉は後でいい、と言うのが私のいつものスタンスだ。

剣道の防具の歴史は江戸時代末だと言うから、 坂本龍馬の頃の道場では、すでに使われていたものなのだろうと想像すると、これまた嬉しい。

追: 情けないことに、今まで革に漆を塗ってみた経験がないことに気づきました。塗ってみると人間の肌に塗るのと同じだから、至極相性が良いことに気づきました。

ザ!日本酒 獺祭 8125ドルで落札

先月ニューヨーク・サザビーズオークションで8125ドルで落札される

ー 昨年、厳寒の1月、日本酒”獺祭”で有名な旭酒造の会長である桜井博志氏が我が家に来られ、チタンでボトルを作り、その瓶の栓として、漆を使いたいの申し入れがありました。”なんと光栄なこと!”私は下戸でお酒は、ほとんど呑みませんが、義兄が大の日本酒好き。獺祭”その先”(日本酒の中では、最高峰の価格のお酒)を10年程前に呑んだことがあり、獺祭のことはよくよく知っており、何とも不思議なご縁を感じました。また、その時はコロナ禍で、お客さんは皆無。果たして困ったねー・・・といった状況でしたし、今だにない物を創りたい人間なので尚更でした。

そのお酒が、先日ニューヨークのサザビーズオークションに一本だけ出され、その一本が8125ドルの値がつきました。、今日の円149円で換算にすると121万円になる。庶民にとって信じられないことですが、尚その先に進もうとする会長を始めとする皆さんスタッフの心意気に頭が下がるばかりです。おめでとうございます。

獺祭 瓶栓 獺祭漆栓と名付けることにしよう・・・

実物の狙い通りなかなか美しく写真を撮って頂き、写真家も素晴らしい!おまけに私の名前まで・・・何ともありがたいことです。

いずれにしても、酒造りに携わる職人、酒米を作ってくれる農園の人々、硬いチタンを加工してくれた職人の皆様、また王冠を作ってくれている多くの人達の苦労の賜物の上に成り立った偉業と、感慨深い思い出いっぱいです。

硬くて加工が難しいチタンボトル。仕上げは手作りによる物で、その困難さは計り知れない。
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円珠筆

漆塗りボールペン 円珠筆
2020年5月29日 

新型コロナウィルスが蔓延していく中、巣篭もり状態ではあったが仕事だけはしていた。それが漆塗りボールペンだ。ボールペンは英語でballpointpenと言うのだそうだ。中国では円珠筆、なるほどね〜と言った感想です。

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3・11・・・雑感

早いもので9年前の今日、東日本大震災が起きた。そして、この度の新型コロナウィルスの蔓延。何があってもおかしくない不確実な時代・・・しかし、私達一般庶民には、どうすることも出来ない・・・

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漆瓶栓に刻印リング・・・完成!

漆瓶栓に刻印リング
ゴールドリング
漆黒にシルバー刻印リング
シルバーリング 刻印

漆瓶栓デザインの根幹をなす、金属リングに刻印・金メッキが施されてきたので、それらを組み立て、先日DMで注文を頂いた皆様に発送をしました。色々大変でしたが、とにもかくにもこうして出来上がると何より嬉しい。

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NICHIGETSTU STORE誕生

NICHIGETSTU STORE

販促活動の為、NICHIGETSTU STOREなる
ウェブショップをつくってみました。

世の仮想ショップの世界のシステムに
驚くばかりです。
その機能は、今、日々書き込んででいる
ワードプレスのブログの機能が網羅され
簡単に出来上がっている。

こんな面倒なことも学ばなければならないのか
とも考えるが、
認知症予防には、これまたいいか
と、興味深く楽しく作っている。

https://marumata001.stores.jp/

漆瓶栓 いよいよ販促活動開始!

漆瓶栓 リーフレット表面
漆瓶栓 リーフレット裏面

一月末、ようやくダイレクトメール用のリーフレットが仕上がったので順次、当店のお客様に向け発送致し始めました。ただ、同封した予約発注書が私の手元に届いているのですが、予約注文をいれてくれた人たちの懐かしい顔が思い浮かぶだけに、10000円以上の漆瓶栓に関しては、2020とNCHIGETSU ロゴの刻印を入れることにしましたので、発送は遅れる由の連絡を急遽致しました。

また、思いがけなく12000円の高価なゴールドリング・天金箔(漆黒・本金)の注文が多く、作っていく上でのすみ分けも難しいので、結局、10000円以上の磨きリング仕様の物に関して、それぞれ年間100個ずつ制作していくことが、今の状況ではベストではないかと考えているところです。

なかなか物作りも、あれやこれやと大変ですが、とにかく2年半の歳月を費やして創ってきた物だけに、きちんとした物を作り、皆様にお届したいと考えています。

さあ、これからも大変だ。

目下、ポストカードになった一番人気の漆瓶栓
私的にはシルバーリングも落ついていていいと思う。

漆瓶栓(しっぺいせん)への想い・・・

リーフレットにもありますように、日本酒が、今まさに世界でも注目され、冷して飲む吟醸酒は全国各酒蔵で作られた美しい4合瓶に入れられ、グラス等に注がれています。

その際、封を切った4合瓶に 日本を代表する工芸でもある漆を塗った漆瓶栓をお使い頂くことで、楽しい酒席がもっと華やいで和やかになるのではないか・・・

熱燗に徳利の文化は、昔ながらの実に情緒的な日本らしい文化でありますが、平成を経て令和を迎え、新たな日本の文化が生まれたら幸いです。

また、ワインにおきましても、コルク栓を抜けば一気に飲んでしまうのが通常ですが、時間をおいて飲むワインは、日ごと角が取れまろやかさが増していくように私には感じられます。どうぞ、この機会にそんなワイン独特の熟成も楽しめたら、一層面白い文化の創出になっていくと妄想。


漆瓶栓(シッペイセン)の由来

遥か昔、奈良は天平の時代、聖武天皇(在位701年~756年)ゆかりの漆胡瓶(水を入れた木製へ平脱漆瓶)は、今でも正倉院に収蔵され、日本だけでなく東アジアを代表する漆の優品であります。それにちなんで日本・ワインの瓶の栓として、漆瓶栓と命名しました。

伊藤 猛

まる又漆器店 NICHIGETSTU STORE

       ↓

https://marumata001.stores.jp/

中尊寺金色堂 円柱仏 蒔絵

昨日投稿した厨子を作ったら
美大の後輩が
自分で描いた中尊寺金色堂の円柱仏の蒔絵の手板が
そのまま入ってしまった。

こんなこともあるのよねー
と、結局5年ほど我が家に
安置されていました。笑

平安時代の蒔絵は金粉自体が粗いので
重厚な研ぎ出し蒔絵となった。

ちなみに、私の尊敬する恩師である
亡き大場松魚先生は
昭和38年の中尊寺大改修の際
漆工部門の主任として
この仕事に関わった。

ご縁とは、実に不思議です。