ー 昨年、厳寒の1月、日本酒”獺祭”で有名な旭酒造の会長である桜井博志氏が我が家に来られ、チタンでボトルを作り、その瓶の栓として、漆を使いたいの申し入れがありました。”なんと光栄なこと!”私は下戸でお酒は、ほとんど呑みませんが、義兄が大の日本酒好き。獺祭”その先”(日本酒の中では、最高峰の価格のお酒)を10年程前に呑んだことがあり、獺祭のことはよくよく知っており、何とも不思議なご縁を感じました。また、その時はコロナ禍で、お客さんは皆無。果たして困ったねー・・・といった状況でしたし、今だにない物を創りたい人間なので尚更でした。
そのお酒が、先日ニューヨークのサザビーズオークションに一本だけ出され、その一本が8125ドルの値がつきました。、今日の円149円で換算にすると121万円になる。庶民にとって信じられないことですが、尚その先に進もうとする会長を始めとする皆さんスタッフの心意気に頭が下がるばかりです。おめでとうございます。
実物の狙い通りなかなか美しく写真を撮って頂き、写真家も素晴らしい!おまけに私の名前まで・・・何ともありがたいことです。
いずれにしても、酒造りに携わる職人、酒米を作ってくれる農園の人々、硬いチタンを加工してくれた職人の皆様、また王冠を作ってくれている多くの人達の苦労の賜物の上に成り立った偉業と、感慨深い思い出いっぱいです。
昨年9月には、山口県岩国市の獺祭酒蔵を訪問し酒作りの現場を拝見する機会があり、会長を始めとした美味しい酒造りにかける執念なるものを感じ、より良い物を創らなければならない責務を新たに感じたものでした。そして、酒蔵の仕事の中でも室温8度の部屋で、洗米している職人、室温40度の部屋で麹菌を撒いている若き職人のさ 姿は印象的でした。